堅実な介護を実現する- 講演・ワークショップ(2013.10.18大阪アカデミアにて)
-創造的問題解決技法を学んで使う-
0. 受講者の感想
1. 堅実な介護を持続するには創造的問題解決が必要である
ケアマネジャーの仕事は多種多様である。ケア計画を立て、スタッフと一緒になって
それを実行しつつ、利用者の状態の変化等に応じて、適切なケアを提供し続ける仕事
は欠かすことができない。高齢者を多く抱える介護は、利用者の状態が変化するので、
決まり切ったケアのみでは、不十分なことが起きる。このような時に、必要とされるのが、
創造的問題解決である。人的資源や関われる時間等の制限のある中で、職場を構成
する関係者と利用者・家族でで、「真の問題」を探り、それを解決するための方法を考え、
実行することが必須となる。ケアマネジャーには創造的問題解決を進展させることのできる
資質が欠かせない。こん回の講演・ワークショップでは、創造的問題解決とは何かから
始まり、参加者6人が1グループとなって職場の問題を創造的に解決する方法を学んだ。
2. 創造的問題解決とは何か
人口が数十万人の旭川市にある「旭山動物園」はかつて、入場者が激減して、閉園の
危機に立たされた。その動物園がある時、周辺人口が1000万人を越える「上野動物園」
の入場者数を上回って、今日も全国から入園者が押し掛け盛況である。「入場者激減」と
いう難問題を解決したのである。何が起きたのであろう。
私たちは通常、「入場者激減」のような状況に遭遇すると、それが解くべき「真の問題」
と判断して、すぐさまその問題を解こうとする。すると、月並みな解決法しか出てこない。
その結果、時間経過とともに事態はさらに悪い方向へ進み、ついには、破滅に陥る。
旭山動物園の当時の園長さんは、解くべき真の問題を「動物園とは何か?」「入園者と動物
はどうすれば生き生きするか?」「リピーターを増やすには何が必要か?」、「スタッフの可能性
を伸ばすにはどうすればいいか?」、・・・・のように設定し直した。その結果「飼育係り」は
「展示係」となり、入園者と動物が生き生きと交流できる展示装置および展示方法の開発へと
つながり、今日の盛況に至っているのである。
3. 堅実な介護を実現する---講演原稿---